アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女


最初に断言します。ここまで面白いRPGを遊んだのは数年ぶりです。
決して万人に薦められるわけじゃないけどここまで丁寧な作りのものは早々ない。

でもってまともにゲームの感想を書くのも約2年ぶりです。
ちなみにネットでの情報をシャットダウンして遊びこんだ感想です。
ですので間違いもあるかもしれません。

ガスト+バンプレスト・・・この組み合わせは数年前に発売されたGBAソフト「マリー・エリー&アニスのアトリエ
そよかぜからの伝言」の時の組み合わせです。
このサイト内での好きなゲームとしてあげてるぐらいに僕はこのゲームをやりこみました。
気がつけば評判が良かったらしく店頭でもほとんど見かけないソフトになっていましたが
それも納得できる完成度でして約40種類もあるエンディングのおかげか
繰り返しのプレイにも耐えられるものでした。
そして月日は流れ2006年。この2社が組んで再び世にゲームが送りだされました。
それが「アルトネリコ」。ジャンル「娘調合RPG」です。

まずこの奇妙なジャンル名ですが、とりあえず無視してください。あとで説明しますから。
アルトネリコというのはこのゲーム内の世界「ソル・シエール」の全てであり、
最上部は宇宙にまで伸びている1000階以上ある巨大な塔の名前です。
この世界では塔に寄り添うようにして塔の恩恵を受けずには人々は生きてはいけません。
世界観を簡単に説明するとかつて世界には大地も空もありました。ある時「唱石(しょうせき)」と呼ばれるものが
発見され、それを使った化学が発展、それは長い年月をかけ巨大な塔を建設するまでになった。
ある時、人為的なミスにより塔は暴走。行き場をなくしたエネルギーは大地の全てを破壊し、
空すらも覆いました。これを「グラスノインフェリア」と呼びます。
その後生き残った人々は塔に集まりコミュニティを形成、空と大地に隔離され塔だけになった世界は
塔の中で発展していきます。しかしある時、「レーヴァテイル」と呼ばれる音で出来た生命体が
暴動を起こします。その暴動は最終的に塔の周りに作られた浮遊大陸の半分を落とし、
70%もの人々と文明を失ってしまいました。残されたのはあまり人の住んでなかった田舎部分で
そこに住む人たちは何が起こったのかすら知りませんでした。
そしてそれから400年・・・というのがこのゲームの舞台です。

この説明からもわかる通り、このゲームはとにかく細かいところまで設定がなされています。
それはもうこの「ソル・シエール」が本当にあるかのように。
その辺の形だけの世界観のゲームとは一線を画していますし、シリーズものでもない1作目なので驚きの一言。
そしてそれらの設定はゲーム中に用語集として見ることができます。
しかしその用語集の内容が直接ゲームに関わってくるというわけではないので一種のサービスでしょうね。

ストーリーは大きく分けて3部構成でその区切りごとに若干の時が流れています。

1章は塔の上層から来た主人公ライナーが下の世界で出会った仲間と協力しながらクリスタルを手に入れ
再び塔を上り上層まで戻りウイルスをやっつけるまで。

2章は1章の事後処理&塔の最上部まで行って塔の管理者シュレリア様を救うまで。

3章は塔とともに眠りに着いたシュレリアを復活させ、再び復活したウイルスの母体とも言える「ミュール」を
どうすれば救うことができるか世界中を奔走する話。

といったように3つに別れているのですがじつはそれだけではなく、このゲームにはRPGとしては画期的な
「分岐」というのがあって2章最初の選択によって2章前半は大きく変わり、ひいては物語自体にも
随所に変化が見られるのです。少なくともここまで大きな分岐は他のRPGでは見たことありません。
その分岐のカギとなるのが2人のヒロイン、オリカとミシャです。
2人はともにレーヴァテイルなのですが、オリカは第3世代と呼ばれる人とレーヴァテイルの間に遺伝的に
力を受け継いだものであり、一方ミシャはβ純血種と呼ばれる人によって作られた「オリジン」と呼ばれる
レーヴァテイル「シュレリア」を元にして誕生した存在です。
オリジンというのは塔があるかぎり寿命は永遠であり、3体が作られました。
β純血種というのは150年ほどの寿命をもち、寿命が尽きるまで老化もしません。
そして第3世代と呼ばれる者は通常寿命は20歳までで、「ダイキリティ」と呼ばれる延命剤を投与することで
1度につき3ヶ月の延命が可能、使い続ければ80歳ぐらいまでは生きられます。
危ないところを助けてもらった恩人と幼なじみという性格も種族も違う2人のヒロインのどちらを選ぶかで
2章から先が大きく変わってくるのです。そしてそれぞれの話は実際に遊んでみないとほとんど
何があったのかわからないようになっています。

レーヴァテイルの話が出たところでジャンル名とそれに関係するシステムの説明をします。
このゲームは戦闘、システム、あらゆるところでレーヴァテイルと呼ばれるヒロインと繋がってます。
そしてそれらは時にアイテムを、時に詩魔法と呼ばれるものを紡ぎます。
そうやってシステムを密接に掛け合わして思いを紡いでいくことを「ムスメ調合」と呼んでいるのだと思います。

戦闘・1

戦闘ではヒロインは後衛で魔法を詠唱し、前衛はヒロインを守って戦います。
時にヒロインは敵に狙われますが攻撃の予告が出るので盾になってかばいます。
かばってますのでかばってる自分が倒れるわけにはいきません。どんなにダメージをうけてもHP1で
踏みとどまります。敵が攻撃を予告するとヒロインを囲むようにマーカーが表示されます。
マーカーの最大数は3個。マーカーの数だけ守りがいなければ敵の攻撃を通してしまいます。
ヒロインはもちろん女の子ですからか弱いのでHPも防御もありません。
攻撃されれば即、倒されてしまいます。
ヒロインが攻撃されると詠唱中の魔法が中断され、倒されてしまうと溜まっていたハーモクリスタルも
なくなってしまいます。
ハーモクリスタルは前衛の攻撃と魔法の詠唱によって両端から「ハーモニクスゲージ」と呼ばれるゲージが
上がっていき敵に攻撃されるとダメージに応じてさがります。
「スキル」と呼ばれるものを使えば上昇量も多くなりますが基本的にスキルが使えるのはゲージのレベルが
上がってからでその2本のゲージがぶつかりますとレベルが1つ上がり与えるダメージ量が上がります。
ハーモクリスタルは戦闘開始時は1つしかありませんが詩魔法を使うことで最大3個まで増やすことができます。
敵の数によって誤差はありますがとりあえずはミシャなら1000%、オリカなら2000%で一番上の攻撃魔法
を使えば上がります。そうして上がったレベルの最大値によって戦闘後にアイテムが手に入ります。
敵は基本的に4つのアイテムを持っていてそれらは倒すと絶対に手に入るアイテム、
レベル1以上なら手に入るアイテム、レベル2以上なら手に入るアイテム、レベル3で手に入るアイテム
の4種類に分かれていて上に行くほどいいアイテムが手に入ります。
このレベルというのはあくまでもその戦闘中の最大であるため戦闘終了時のレベルは関係ありません。
クリスタルが1つ以上ある時に一つ消費することでカウンター攻撃をすることができますが
ボス戦なんかで一度レベル3になっているのならばガンガン使っちゃっても問題ないです。

グラスメルク・1

グラスメルクと呼ばれるアイテム作成では作成したアイテムに対してその時戦闘に参加している
ヒロインが思ったことを言ってくれたり時には名前まで付けてくれます。
その名称はともかくとして。

コスモスフィア

レーヴァテイルにはそれぞれ「コスモスフィア」と呼ばれる精神世界が存在します。
主人公はそこに「ダイブ」することで様々な体験をそのヒロインとし、その体験は詩魔法となって
戦闘の助けとなってくれます。簡単にいうとアドベンチャーゲームです。
時には主人公とヒロインとで心の中にあるトラウマとも向き合うこともあります。
「ダイブ」はダイブ屋というところでお金を払うことで行うことができ、精神世界内では何かをするのには
DP(ダイブポイント)を消費します。
ダイブポイントは戦闘中に与えた最大ダメージや溜めた詩魔法の数値などのいくらかが手に入ります。
ほっといても溜まりますので気にするようなものではありません。
精神世界内でのDPの消費量はそこでのイベントの重要度ではなくヒロインがそれを見せるのが恥ずかしい度
となっていて、重要度は★の数で表されますし、次にどこに行けばいいかも一目でわかるようになっています。
★の下に[詩]とあれば詩魔法を紡ぐことがあるイベント、
[DP]とあれば追加でDPを消費するイベントとなります。
精神世界にはレベルがあり、そのレベルが高いほど深層心理に近づいていきます。
レベルが高いほど危険度も上がっていき、高いレベルには誰にでも来れるものではありません。
もちろんこれはゲームですから誰だって遊び続ければ最後まで行くことができます。
各精神世界には服装の違ったヒロインがいてその精神世界をクリアすることで
その服がコスチュームとして戦闘に使うことができます。
コスチュームはその種類によってゲージの溜まる速さに変化がでてきます。
そして精神世界には心の護と呼ばれるナビゲーターが存在します。
それはヒロインの心の支えが具現化したものであり、オリカなら「どんすけ」というぬいぐるみ、
ミシャなら「波摩(ハマ)」というオカリナがこれに当たります。
ゲームが進めば進むほどDPは溜まっていきますが最終レベル完了後、DPを消費することで
魔法の使用回数を増やすことができます。
詩魔法というのは大きくわけて3種類、攻撃、補助、フィールドとあり、フィールド以外の魔法には
使用回数があります。使用回数は一定回数戦闘を行うと回復しますし、宿屋やセーブポイントで
休むことでも回復します。フィールド魔法は覚えることでフィールドアクションとして扉を壊したり、
焼肉を焼いたり、水を凍らせたりできるようになります。
で、知ってるとお得なのがアナライザ、フィールド上で使うとそのマップを出るまでの間、
破壊可能な壁が見えるようになります。これだけは3つのうちのどれにも該当してないから。
詩魔法には使ってみると視覚的に面白いものも多く、各レベル1〜4があり、魔法のため具合で変わりますから
とりあえず一度は見てみたいと思うはずです。

宿での会話

宿やセーブポイントなどで休むとヒロインたちとの会話が発生します。これが「宿会話」です。
町やダンジョンを歩いていると「会話ネタ」と呼ばれる青い光が落ちています。
これを集めることでヒロインたちとの会話ができるのです。行われた会話は「トークマター」となって
ヒロインに記憶されその数でダイブ出来る精神世界のレベルが上がります。
トークマターの入手法は様々で特定のアイテムを持っていたり、戦闘で特定の行動を取ったり特定の服を着せて
参加させたり、コスモスフィアに入った後だったりとあってその全てを集めるのは困難です。
全部集めるのならとにかく何度も世界中を歩き、いろんな行動を取ってみましょう。
「宿会話」にはもう一つ意味があり、ヒロインと仲良くなっていくと手持ちの材料でアイテムを作ってくれたりします。
これを「裏ムスメ調合」といいます。
そうしてヒロインが作ってくれたアイテムの数々は効果は文句なしですがそのもの自体に問題があります。
ソーダ水に焼肉入れた焼肉ソーダだったり、土の色した大自然アイスだったり、
もんつきはかまだったり、男の子にリボンだったり。
焼肉ソーダには思わずその昔放送されていた「ラジオ マリーのアトリエ」を思い出したほどです。

インストール

この世界には「グラスノ結晶」と呼ばれるものがあり、それを詩魔法にインストールすることで
インストールした詩魔法にその結晶の効果が付加されます。
インストールはレーヴァテイルの体のどこかにある「インストールポイント」と呼ばれる紋章から
行います。インストールポイントに近づけると結晶は吸い込まれるように体内へと入っていきます。
これによって攻撃魔法に攻撃力ダウンの効果をつけたり、補助系にさらに補助を加えたりと
色々なことができます。しかし利点ばかりではありません。
インストールする結晶の効果の大きさによってレーヴァテイルには負荷がかかります。
その負荷はGDという数値で表され、この数値が高いほど詠唱時のMPの減り方が早くなります。
MPがゼロになるとその詩魔法は暴走します。攻撃魔法ならそのまま使用され、それ以外なら
「パリン」の効果音とともにその魔法は消えてしまいます。
詠唱していない間はMPが回復していきますから適度に休ませながら戦闘に参加するのがいいでしょう。

詩・ヒュムノス

レーヴァテイルが持つ力を「詩」魔法というぐらいですからレーヴァテイルは詩を謳います。
それらの詩をゲーム中に「ヒュムノス」と呼んでおり、ヒュムノスにはそれぞれ「詩う意味、そして目的」
があります。それらのヒュムノスはゲーム中で重要な場面になった時に実際に流れます。
その曲数はなんと12曲もあり、これだけでアルバムが2枚発売されているほどです。
ちなみにクリア後に好きなだけ聴くことができます。

これら全てをひっくるめて「ムスメ調合」というシステムなのです。

いよいよこれからこのゲームのシステムを順に説明していきます。

戦闘・2

戦闘は敵味方ともに前衛3+後衛1の最大4人でとなっていて戦闘方式はグランディア系と言いましょうか
画面左上にキャラが表示されていて右側から順番に行動が可能というものです。
戦闘のエンカウントはマップ上の画面右下にあるゲージで表示され、戦闘を行うごとにゲージが減っていき、
ゲージがなくなるとそのマップ内では敵は出現しなくなります。
ゲージの色が青から赤に近づくにつれて敵の出現確率は上昇していき、ゲージはデータをロードすることで
フルに回復してしまいますがアイテムによってゲージをゼロにしたらい上昇させたりもできます。
戦闘が開始するとまずヒロインの行動を決めます。これ以後ヒロインが戦闘に介入するためには
△ボタンを押す必要があります。ボタンさえ押せばどんな時でも行動に割り込むことができます。
敵の中には「超加速」と呼ばれる4回連続行動を行えるものもいますがその最中ですら割り込むことが可能です。
前衛ができることは攻撃、待機、アイテム使用、スキル使用、護るの5つでスキルと護るは使用可能時以外は
表示されません。待機は行動順を遅らせることができます。
後衛(ヒロイン)ができるのは詩魔法詠唱、逃げるというのが主です。
ヒロインがいないと逃げることができないかわりに100%逃げることができます。
敵に攻撃をすると攻撃された敵にはアンビエンスフィールドが発生します。
通常攻撃を重ねることでそのレベルは3段階に変化しそのレベルが高いほど詩魔法のダメージが上昇します。
ヒロインにマーカーが3つ表示され、3人で守り、かつカウンターで3人による攻撃をした場合のみ、
3人目にはカウンター専用技が発動します。
前衛になれるキャラは全部で6人ですので6種類の専用技があるわけです。
基本的に後衛は前衛を全て倒してからでないと攻撃できません。
攻撃系のスキルは発動するのにHPを10〜30%消費します。
戦闘自体は強力な魔法を溜めて使うだけで桁違いのダメージを叩き出しますからそれほど苦労はしないでしょう。

グラスメルク・2

グラスメルクと呼ばれるアイテム作成は早い話が「アトリエ」なんだけど材料となるアイテムを
組み合わせて全く別のアイテムを作ります。失敗はありません。
材料になるアイテムが作成可能であればそれから作れるなんていうかゆいところに手が届く
親切っぷりが嬉しいです。
アイテムを作成するためにはレシピが必要です。
レシピはカードに書いてあって人からもらったり店で購入したりします。
材料となったグラスノ結晶の質によって出来上がったアイテムの品質が変わってきます。
アイテムの品質にはS〜Cまでの4段階があり、電離化合液を作った後、
ダイブ屋で「再結晶化」が可能になります。
再結晶化でできるグラスノ結晶は元となったアイテムの品質によって変わりますが
それ以外においては品質は全く気にする必要はありません。
そうして作ったアイテムは店にならんで売られます。
店で売られるときの品質は作った時の品質です。
持ってるアイテムを作成してその品質が違っていた場合、どちらかを売るか両方を混ぜるか
の選択が出ます。結果も親切に表示されているのでよーく考えましょう。
アイテムを作るとそれに名前をつけます。基本的に命名するのはライナーですがヒロインの命名で
最大4つの候補から選ぶ場合もあります。
一度付けた名前はもう変更できないということはなく、戦闘に参加するヒロインを変更した後に再度作成すれば
選択肢が増えて選択可能。
アイテムを作ることで起こるヒロインとの会話の種類が多いのには驚かされる。
こんなところでも細かい設定が生かされています。
ヒロインに命名できるのはいいんだけどその名称をしっかり覚えておかないとアイテムの効果と
かけ離れすぎて道具欄が大変なことになります。注意しましょう。
パワーソーサー、ポルタポルタ、夢追いの水はたくさんいるので一杯用意しておきましょう。
中には特定のアイテムを持っていることで生じるイベントもあります。
あるアイテムを持ってスピカのところに行くと・・・

パワード

装備品には「パワード」をすることができます。
これはインストールと同じようにグラスノ結晶をはめてパワーアップさせるというものです。
同じタイプのグラスノ結晶の効果が重複することはなく、その場合は効果の高い方が優先されます。
結晶の組み合わせによってはさらなる効果も付加されます。
ちなみにパワードをしすぎると確実にゲームバランスが崩壊します。

猫飴売りのスピカ

上にあった「スピカ」というのはほたる横丁にいる猫飴売りのお姉さん。
・・・というのは表の姿で実質ほたる横丁の影の支配者。
彼女の問いに「値段はともかく…バケツいっぱいほしいよ」と答えるとグラスノ結晶を売ってくれる。
ちなみにバケツ一杯に猫飴を買うと60000リーフ(通貨)以上。
彼女の売るグラスノ結晶は現在所持していないものからランダム。
値段は中にはぼったくりとしか言えないものも。
ワールドマップに出て戦闘を1度でもすればその品揃えは変更される。
彼女のグラスノ結晶の仕入れ先はリルラで猫飴によって買収している。

リルラのアイテム集め

グラスノ結晶を渡し場所を指定するとアイテムを集めてきてくれるのがリルラ。
イム・フェーナのレステア(宿屋)のカウンター前にいる。
グラスノ結晶のコンプリートが夢で塔の中を一瞬で自由に行き来できる力を使って
冒険者相手に商売をしている。
その拾ってくるアイテムにはかなりレアな、そして高額なものが含まれるためにどんどん
頼んだ方がいい。純製壱丸丸というSランク結晶が手元にあれば迷わず渡すべきです。
だいたい戦闘回数(勝利回数?)10回ほどで帰ってくる。(例外もアリ)

アルトレカ

この世界では「アルトレカ」と呼ばれるトレーディングカードが社会問題化するほど流行っています。
カードの種類にはアイテムレシピが書かれたレシピカード、モンスターのステータスが書かれたモンスターカード、
登場人物のプロフィールが書かれた人物カード、ゲームの様々な隠し情報が書かれたひみつ情報カード
の4種類があり、それらは人からもらったり宝箱から手に入ったりしますがそれだけでは社会問題になって
破産まではいきません。メインはカードのパック購入です。
アルトレカのパックはほたる横丁にあるカラコラ通りのカードセンターにておじいさんから購入します。
その品揃えはストーリーの進度によって増えていき、その値段のインフレぐあいがすごいのです。
第1弾は1つ100リーフで買えますが値段はどんどん上昇し、第7弾である最終章で1つ7000リーフ。
その後さらにSPバージョンが12弾分もあり、最終的には1つ50000リーフもします。
パックは値段に関わらず1パックに5枚入り、3弾まではモンスターメイン、4弾からレシピが登場しますが
持ってるのしかなく、SPになってようやく人物登場。
持ってるレシピばっかで頭にきますがそりゃもらったものだしもらった人はどこから手に入れたんだって話
だからこれでいいのでしょうね。矛盾がなくて。買ってる方はたまったもんじゃないけど。
だけど全く新しいカードが手に入らない。100万リーフあってもフルコンプなんてできない。
SPバージョンはそれまでの収録カードに新カードを少量追加という極悪仕様。
このカードを買うために持ってる装備を売る、モンスターと戦闘する。
もはやどっちがメインだか。コレクター泣かせのシステム。
全部で19弾もあるなんて予想してなかった・・・。てっきり6弾ほどだと。
正直なめてた。
パックごとに当たるカードを記録していたけどSPの途中で挫折。
セラバードのカードが当たらないからやけになってしまった。あるのかどうかもあやしいけど。
なんか全滅しかけるぐらい強かったし。
だいたい1シリーズ20種類前後。
ちなみにカード買わなきゃお金に困るようなゲームじゃないです。
むしろ余りまくるのでカードを買うためにあるのでしょう。
あのおじいちゃんは大富豪か?そしてカードを制作してるのは誰なんだ?
裏にスピカがいそうな気がするのは気のせいか。

全てを食ったシュレリア様

登場するキャラクターはどれも個性的だが一部にほとんど話しに絡まないキャラがいます。
というかある1人のキャラを掘り下げすぎたばかりにおざなりとなったというべきか。
クルシェについてはもうちょっと詳しくやって欲しかったかな。
ルークは結局リンカーネイションにたどり着いたのか気になる。
ライナーなんて過去の記憶がないのが絶対に何かの伏線だと思ってたのに
本当に単なる物忘れなのは頭にきた。どんだけ物忘れひどいんだ?この年で。って言いたいところだけど
自分のことを考えるとそうは言えなかったり。
で、その掘り下げすぎたと思うキャラというのがシュレリア様、塔の管理者レーヴァテイルオリジンで
主人公の上司、ライナーに塔を降りてクリスタルを取りに行かせた張本人。
仕事には絶対に私情は挟んだりしないから友人のピンチだろうと冷たいこと冷たいこと。
・・・だったんだけど、というかそれは仮の姿で、3章には入ってからその本性を表します。
管理者から離れてライナーと同行するようになってからそれはもうオリカとミシャを完全に食ってしまう勢いに。
3章自体2章最後でヒロインと幸せに暮らさない選択肢を選ばなかったときに発生するものなのですが
実はコスモスフィアに潜ってる時に突然現れて突然「なんか知らないですけどあたしとつきあいませんか?」
とか言ってくる。多分シュレリア様が暇つぶしにコスモスフィアに割り込んでいたのでしょう。
そのような感じで一応伏線はあるのですがこの3章の作りこみがすごい。
ことある行動で会話は発生し、戦闘では強力な詩魔法がガンガン使用可能。
気がついたら戦闘で使っているのはシュレリア様一択。
2章までの無個性ぶりが嘘であるかのようにどんどん明らかになっていく管理者ではない本当の姿。
ライナーを自分のものにするのに必死で何百年も前からいるのに極度の方向オンチ。
うさぎが大好きで普段はあくまでライナーの上司、2人きりのときだけ本音に。
そして最大の悪ノリがおまけシナリオ。オリカとミシャの両方のコスモスフィアがレベル7に到達すると
シュレリア様にダイブして仮想世界で遊ぶことができます。本編とは全く違うアドベンチャーゲームを。
その名も「シンガーエンジェルシュレリア」、見た瞬間笑うしかなかった。
本編での登場キャラが全く違う性格、立場で現代を舞台に繰り広げられるアドベンチャーゲーム。
昼は学生、放課後はウェイトレス、しかし本当の姿は世の中を守るためにウイルスを使い世界制服を企む
「ミュール団」と戦いを繰り広げているシンガーエンジェルだという塔ヶ崎零羅と
ひょんなことから知り合った原瀬頼奈はその戦いに巻き込まれる形でウイルスと戦う日々が始まります。
アドベンチャーゲームでボリュームもありますがとにかく本編とは完全に別物だと
割り切らないと厳しいこと必死の出てくるキャラの数々。ミシャの性格なんて別人としか。
途中、選択肢により幼なじみの織香と結婚することになりますがシュレリア様が気に入らない結末になったので
やり直しが可能になっています。
多分これ作ってスタッフが力尽きたのでしょう。エンディングがあっさりしすぎてるのは。
シュレリア様は塔と同じに誕生していますからアイテムを作るとそのアイテムがどういうものであるかを
教えてくれます。フランメルト磁石が偽物だとかのライナーとのやりとりの数々は必見です。

感想

ストーリーはとにかく盛り上がるところの連続でプレイヤーを飽きさせません。
クライマックス的な場面もいくつかあります。そしてとにかく音楽がいい。
サントラ1日聞き続けても飽きない自信があるぐらい。
戦闘の曲はどれもよくてラスボスの後に戦闘時の曲が選択できるようになってれば良かった。
章が切り替わる時の音楽が一番好きです。
クレアのリュートの弾き語りのオルゴールバージョンので音楽というよりは音色といった方が近いですが。
どこまでも初心者のことを考えたゲームになっているのですが初心者というかライトユーザーほど
こういう「新しいゲーム」を手に取ることはなくネームバリューのあるゲームしか手を出さないという悲しさ。
だけどネームバリューのあるゲームなんてのはシステムが複雑すぎたりするのです。
1章まるごとシステムの説明に当ててるなんてすごいですよ。
システムを広げるように話を考えないといけないわけだから。
なんてったって全てのマップが繋がってて巨大な1枚のマップで世界を表現しているのがすごい。
R2ボタンを押せば地図も表示されるから親切この上ないです。
ヒロインの一人、ミシャは子供と大人に姿を変えられるのですがそれはあくまでも隠しです。
なのにイベント時に声が2種類あるのには驚いた。
まさかエンディングで2通りの声があるなんて思わなかった。てっきり使いまわしか声なしだと思ってました。
遊び方をあくまでもプレイヤー側に委ねてるところに好感が持てました。
コスモスフィアなんてのはクリアに絶対に必要なのはクリスタルのダウンロードが可能になる4レベルまでです。
それ以外は強制ではありません。アイテム集めに走る必要も別にないですし、
その日の気分でアイテム名を変更してもいい。
詩魔法だって最初から覚えてるやつだけでクリアできる。パワードしてれば強い装備はいらないし
その逆もまた然り。敵だって戦いたくなければアイテム使って出ないようにすればボス戦のみだって
やろうと思えば出来る。すごく難易度高いけど。
好きに遊べばいいという感じです。ただやり込むとなればとたんに難しくなってくる。
あとなんてったってラスボス戦後の平和な世界を旅できる。
ラスボス倒してエンディングってわけではなく、その後世界を回って色んな人にあっていくんですよ。
一通りの人に会わなければどこへだっていける。セーブだってできるし買い物だってできる。
もちろん戦闘もできます。っていうかラスボスがいない以外特に制限もなかったりして。
難易度が低すぎてゲームオーバーどころでないってのは残念かな。
終始ガンガンレベル上がるし戦闘はむしろオマケなのかも。アイテム集めのミニゲームとも取れるし。
だけど戦闘のシステム自体は他に類を見ない魔法中心なものだったので良かった。
設定がしっかりしているから続編やら外伝なんかでもっとこの世界のことを知りたいです。
設定だけの町とか一杯あるしね。年表を覚えていればそのうち理解ができるようになるとか。
「シュレリア、シルヴァホルンのレーヴァテイルコントロールを推奨」ってのがシルヴァホルンにはたくさんの
レーヴァテイルでもいたのかな?と思っていたけどそこにいたのはミュール1人。
シュレリアが提唱したのはミュールのコントロールが不完全だったからとか後で分かったみたいに
設定は本当に隅々まである。
たまにある矛盾を指摘するのが野暮であるかのように。
設定だけ見ててもあれこれ世界が想像できた。
コスチュームの暴走具合には驚くしかなかった。
普通の服から始まり、パジャマ、着物、忍者、バスタオル、Yシャツ、天使、白無垢ともう何でもあり。
バスタオル1枚で街中を歩かせるライナーは鬼だ。
あとなんといっても主人公のライナーには何度も頭にきた。
もう鈍感とかいうレベルを通りこしてるわヒロインに酷なことを平気でさせるわ
もう腹立たしいことこの上ない。
「ミシャ、謳って」とか信じられん。ミシャはそこで謳い続けるのが嫌で逃げ出したみたいなものなのに
平気で一生謳わせようとするライナー。信じられません。
だけどこのタイトルってクレセントクロニクルでミュールを鎮める詩を謳い続けなければいけないミシャ
のことなのだろうからそれは正しいことであるかもしれない。
「正しい」ことは決して「良い」ことであるわけではないのだから。
最初に書いたとおりこのゲームに非常に満足しています。
先が気になって止め時も全然見つかりませんしプレイ時間もかなりの勢いで上がっていきます。
100時間とか余裕で遊べそうなのでポケモンとまではいかずともドラクエZぐらいは遊ぶと思います。
しっかりとした設定資料集とか出たら間違いなく買うと言い切れます。
残り2体のオリジンとか後の2本の塔はどうなったとか死の雲海の下には巨大な遺跡があるんじゃないかとか
エオリアの7つの武器の残り6つの行方とかオリカが本当にティリア神の生まれ変わりならエレミア三謳神は
実在したのか、そしてあの像の2人はどういう存在なのかとかシュレリア様は本当は何歳なのかとか
知りたいことは一杯ある。そしてカードヒーローのようにグッズとしてアルトレカが発売されたら絶対買いそう。
もちろん普通の価格で。なんかやろうと思えばいくらでも展開ができそうなゲームです。
しかしOVAはないでしょう。30分で何をやろうっていうんだかわからん。
全く関係ないけどスタッフロールにクインテットの名前を見たとき嬉しかった。
そしてファミ通の評価7777に納得がいかないどころじゃない。
少なくともタージュオブケルベロスと同点はない。
今のファミ通は後ろ盾のない新規ソフトに高得点がつくことがないのがゲーム業界の悲惨さを物語っている。
あれやそれが殿堂入りできるのならこれは32点は絶対に取れるはず。
点数低いのに毎週攻略してるの謎すぎるし。不満をカバーしても有り余る満足度がありました。
こうやってファミ通はゲーム業界の芽を潰していってることにいい加減気づいて欲しい。
大作ゲームが売れる時代は終わりアイデア勝負のゲームが売れる時代がやってきたのだから・・・。